進次郎氏の地元・横須賀市ではどうなのか。地元の後援会関係者は期待を寄せる。

「進ちゃんが滝川クリステルさんと官邸を訪れ、結婚報告を最初にしたのは菅義偉前首相。菅さんとの信頼関係は厚く、もし、菅さんに背中を押されたら、総裁選に出ると思いますよ」
 

古くなってしまう旧安倍派5人衆

 2人の若手の出現で、自民党内には一気に地殻変動が起きているという。大きな要因は、派閥を解消した旧安倍派の5人衆(萩生田光一氏、世耕弘成氏=離党、松野博一氏、西村康稔氏、高木毅氏)だ。

「みんな、次の次ぐらいに総理を狙いたい中堅の人たち。この人たちは5~8期生くらいの世代です。裏金事件で処分され、今は静かにしているけれど、爪を研いで時期を待っている。ところがコバホークや進次郎氏が台頭してくると5人衆は一気に古くなってしまうんですよ。旧安倍派の若手がコバホークたちに流れていってしまうかもしれない。自分たちが復帰した時に、子分がいなくなってしまうというのでは困るわけです」(角谷氏)

 再選に意欲を見せる岸田首相に対抗する一番手は、総裁選の常連になった石破茂元幹事長だ。石破氏は2008年、12年、18年、20年の総裁選で敗北。今回出馬すると5度目の挑戦となる。

「石破さんは国民的人気が高く、地方議員、党員の票は集められるのですが、国会議員の仲間が少ないのが弱点。候補者が2人に絞られる決戦投票まで残った場合、いつも国会議員票で負けてしまう」(自民党元秘書)

 お盆明けをメドに出馬するか否かを判断するとみられる。

 党内の動きのなかで、角谷氏は唯一派閥を維持している麻生派に関心を寄せる。

「麻生派では河野太郎デジタル相が出馬に意欲を示しています。ところが麻生太郎副総裁の側近の甘利明衆院議員がコバホークの面倒を以前からみていたんですよ。さらに、麻生さん自身は、麻生派から河野派への代替わりを認めたくない。いつまでも自分がキングメーカーでありたいんです。代替わりは、自分が一丁上がりだということを認めることになってしまいますからね。結局、一番いいのは岸田続投じゃないかとなりそう。だから、最近、麻生氏はしょっちゅう岸田首相と会食しているのでしょう」

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現職閣僚の動向は