女性の名も多く取沙汰されるが

 前回(2021年)の総裁選に出馬した高市早苗・経済安保相も有力候補だ。

「やる気はあるだろうけど、高市氏は現職の閣僚。岸田さんが続投を模索している中で、あなた出るんですかって話になるわけだね。前回の出馬は安倍晋三元首相が支援したんですよ。安倍氏が亡くなった今、パワー不足は否めません。前回、コバホークは高市氏の推薦人として名前を連ねていました。どちらも出馬したら複雑な関係になりますね」(角谷氏)

 女性議員では、ほかにも上川陽子外相、野田聖子元総務相らの名前が上がっている。

「麻生さんは一時期、上川氏の名前を出したけど 、今は一切出さなくなった。岸田氏と同じ宏池会だし、現職の外相。岸田氏が出馬する場合には立候補は難しい。野田氏は20人の推薦人を集めるのが厳しいのでは。小渕優子・自民党選対委員長は本人の意向がわからないけれど、面白い存在だと思います」(同)

 茂木敏充幹事長も出馬が取り沙汰される。

「現職閣僚の高市氏と同様の立場です。自民党幹事長は党のナンバー2として、岸田首相を支える立場ですから。岸田氏が不出馬なら出るでしょうが、岸田氏が続投なら出にくい」(同)

 来年は夏に参院選がある。衆議院議員の任期も来年秋までだから、それまでには衆院選をやらなければならない。自民党には逆風のなか、こうした選挙で大敗すると短命政権で終わる可能性もある。ここは1回見送る作戦に出る候補もいることだろう。

(AERA dot.編集部・上田耕司)

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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