小泉進次郎氏

 4期生の小林氏が出馬すると、自民党の刷新を求める若手や中堅が結集して新たな動きに発展する可能性がある。これに反応するかのように、5期生の小泉進次郎氏を推す声が高まってきた。

「反対はしない」と父・純一郎氏

 ジャーナリスト田原聡一朗氏、森喜朗元首相、小泉純一郎元首相、中川秀直元官房長官らが今年7月中旬に会食した。総裁選が話題になり、進次郎氏の父である小泉元首相に向かって、森氏らが「進次郎氏がいい」と述べた。小泉元首相はこれまで「50歳になるまで総裁選に出るな」と進次郎氏に助言してきたとされるが、この時は「本人がやると言ったら反対はしない」と、容認したという。

 進次郎氏は、報道各社の世論調査「次ぎの首相は誰がふさわしいか」のアンケートで、1位を総なめにする石破茂元幹事長(67)に次ぐ、2位の常連。

「進次郎氏と他の国会議員との大きな違いは、自身の選挙に不安がないこと。つまり、必ず当選できる人気者なんです。自民党の強みは圧勝で連続当選できる人がいること。選挙が弱くて、当落を繰り返す議員はなかなか政策に没頭できない。そこへいくと進次郎氏のようなタイプは、選挙に心配がないから、柔軟にいろんなことを吸収して政策に反映できるゆとりがあるんです」(同)

 当の進次郎氏は7月6日、福島県でのイベントに出席後、「すべきことをしっかり考えていきたい」と発言して以降、出馬についての発言を控えている。

 角谷氏が続ける。

「総裁選にエントリーすること自体に目的があるコバホークに失うものは何もない。知名度を一挙に上げられるから」

「進次郎氏にとって、出馬は悩めるところでしょう。知名度はもう十分にあるわけだから、総裁選に顔見せするメリットがない。父親の純一郎氏は3度目の挑戦で総裁の座を手に入れたが、進次郎氏が負け試合を繰り返すメリットを感じるかどうか。何度もチャレンジするというやり方もあるけど、いける時に一気に勝負をかけるという考えに傾くかもしれない。勝負すると、この人はいざというときについてきてくれなかったとか、裏切ったとか、そういうのがわかっちゃうから、本人も傷つくものなんですよ」

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麻生派はなんとも複雑な綱引きに