また、被告側が量刑について不当と主張することについては、

「懲役9年は短いです。刑が軽くなることを望むのであれば、全額お金を返してからが筋だと思います」

 と話し、渡辺被告のこれまでの発言や「獄中日記」についてこう指摘する。

「(渡辺被告は)これまでに『被害者を人間と思って無い』などと発言したり、 SNSで公開している手紙のなかには、自分は被害者と言っているようにとれる文言があったりします。加害者という自覚が本当にあるのでしょうか……」

金貢いでいるバカなおっさん

 男性は被害にあった後、PTSD(心的外傷後ストレス障害)や睡眠障害を発症した。

「お金がなくて生きていくのにも精いっぱいの状況です」

 そのようななか、SNSには現在も渡辺被告を擁護し、男性を批判する声がある。

「女子に金貢いでるバカなおっさん」「おっさんがいい思いをしたことに対しての対価を払うのは当たり前。それ以上のお金はおっさんの勘違い」

 男性は「被害を受けているのに、なぜ誹謗中傷を今も受けなければならないのでしょうか。決して貢いでいたわけではないです。ただ、純粋に好きという気持ちで助けたかっただけです。渡辺被告を支援する人にも『あなたも悪い。ここまで(渡辺被告が)責められる必要があるのか』とも言われ、心身ともにつらいです」と話している。

マニュアル作成、販売でほう助の罪も

 渡辺被告は、恋愛感情を利用して、金をだまし取るための目的で「頂き女子の参考書」と題したマニュアルなどを作成し、販売した詐欺ほう助の罪にも問われている。

 マニュアルは全71ページにのぼり、具体的な会話例が示されるなど、だまし取る手口が詳細に書かれている。また、だまし取る相手のことを「おぢ」と呼称していた。

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“洗脳”させるまで持っていく手順が明快