渡辺被告が作成したマニュアルは男性に好意を持たせるよう巧妙に作られていた。社会部記者によると、狙う男性の対象を①お金の使い道がない独り身、②恋愛経験がない独り身、などとターゲットを絞っていたといい、「男性を“洗脳”させるまで持っていく手順が明快に書かれているなど、内容は濃いものだった」とのこと。

元ホストの被告が情報商材屋を紹介

 渡辺被告はこれまで、マニュアルを自身が作成し、販売していたと主張しているが、前出の社会部記者はこう話す。

「捜査関係者は、彼女がここまでのマニュアルを作成するのは難しいのでは、と指摘しています。また、マニュアルの構成が、情報商材やネット広告のアフィリエイト記事に類似しています」

 公判では、渡辺被告の弁護人が「マニュアルを作成する際に、情報商材業者が関わっている」とも主張した。渡辺被告がホストクラブへ支払う金銭の原資が、だまし取ったものだと知りながら約900万円を受け取ったとして、組織犯罪処罰法違反などの罪に問われた元ホストの被告=公判中=から情報商材屋と名乗る人物の紹介を受けたという。

 仮にそうした事実があったとしたら、減刑につながるのだろうか。控訴審は即日結審し、判決は9月30日に言い渡される。

(AERA dot.編集部・板垣聡旨)