これは下半身切断怪談と関係しているのではないだろうか。この怪談は設定上、厳寒地域でなければ成立しないので、たいてい北海道が舞台となる。また上半身のみの少女が這いずるイメージが、すこぶるテケテケと共通しているからだ。
北海道という土地はアイヌ伝承を除けば怪談の歴史が乏しい。そのため戦後になってオリジナルの怪談・都市伝説が多数発生したのではないか、と私はにらんでいる。それらの多くは、昔ながらの情緒ある怪談ではなく、陰惨で暴力性あふれる現代的な都市伝説として広まった。テケテケしかり、下半身切断怪談しかり。