大阪桐蔭・平嶋桂知
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 8月7日に開幕する第106回全国高校野球選手権。4日の抽選会で3回戦までの組み合わせが決まったが、それぞれのゾーンを勝ち抜いてベスト8に進出するチームを予想してみたいと思う。

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 まず最も有力校が集まったのが英明(香川)、健大高崎(群馬)、岐阜城北(岐阜)、智弁学園(奈良)、大阪桐蔭(大阪)、興南(沖縄)、明豊(大分)、小松大谷(石川)のゾーンだ。センバツ優勝の健大高崎、春夏連覇の実績がある大阪桐蔭、近年コンスタントに上位に進出している智弁学園、明豊と強豪校が多く揃った。どこが勝ち上がっても不思議はないが、地力で勝る大阪桐蔭を推したい。エースの平嶋桂知(3年)が不調で夏は登板が少なく、センバツでは4番を打ったラマル・ギービン・ラタナヤケ(3年)も守備の不安からスタメンを外れることが多いが、それでも大阪大会ではさすがの強さを見せた。対抗としては春のセンバツ優勝の健大高崎となるが、エースの佐藤龍月(2年)が故障でメンバーを外れたのはやはり大きな痛手だ。

 続いて京都国際(京都)、札幌日大(南北海道)、花咲徳栄(埼玉)、新潟産大付(新潟)、金足農(秋田)、西日本短大付(福岡)、南陽工(山口)、菰野(三重)のゾーンだが、ここは花咲徳栄が頭一つ抜けている印象を受ける。ドラフト1位候補の石塚裕惺(3年)以外にも力のある打者が揃い、投手陣もエースの上原堆我(3年)を筆頭に層が厚い。埼玉大会では相手にビッグイニングを作られたのが気になるところだが、攻守のバランスも良く、優勝候補の一角であることは間違いない。対抗と言えるのが春夏連続出場となる京都国際だ。中崎琉生(3年)、西村一毅(2年)という安定した左投手を2人揃え、打線も春より状態を上げている。順調に勝ち進めば花咲徳栄と2回戦で対戦することとなるが、接戦となる可能性は高い。

 中京大中京(愛知)、宮崎商(宮崎)、木更津総合(千葉)、神村学園(鹿児島)、聖カタリナ(愛媛)、岡山学芸館(岡山)、掛川西(静岡)、日本航空(山梨)のゾーンも有力校が多いが、経験と攻守のバランスの良さから神村学園を推したい。昨年夏も中軸を任されていた正林輝大(3年)、岩下吏玖(3年)を中心とした打線は上位から下位まで切れ目がなく、機動力を使うこともできる。センバツでは不調だったエースの今村拓未(3年)も夏の鹿児島大会では4試合に登板して無失点と復調し、大型右腕の早瀬朔(2年)も成長を見せている。昨年のベスト4を上回る可能性もあるだろう。対抗は中京大中京と木更津総合の2校。ともに力のある投手を揃え、失点が計算できるのが強み。特に神村学園と木更津総合の対戦は初戦でも屈指の好カードだ。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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