(1)マーケットベースではなくゴールベースで考える

 投資は将来への備えであり、資産のピークを今に持ってくるものではありません。したがいまして、投資をマーケットベースではなくゴールベースで見ることが大切になります。

あなたは投資のゴール(若い方は10年後の目標でも構いません)をどう設定されているでしょうか。「どんな人生を送りたいから、●●歳までに〇千万円まで増やしたい。」など具体的に考えられていますでしょうか。私は、ビジネスパーソン時代はFIREするために資産1億円+年間配当金(手取り・以下同)120万円を目指していました。FIREした今は資産2億円以上+年間配当金300万円を目指しています。先に目標を決めると、その目標と今とのギャップを埋めるためには、どう行動すれば良いのかを常に考えるようになります。

 具体的な話をしてみましょう。つみたてNISA枠で、S&P500や「オルカン」に積立投資しているのなら、ゴールベースで見れば、止める必要も減額する必要もありません。ゴールベースで見れば、安く買えると見えてくるはずです。ところが、マーケットベースで見てしまうと、価格が大きく下がって怖いから売って楽になりたいと思ってしまいます。このような短期思考の感情を優先した判断に陥ってはいけません。価格(株価)が下がれば安く買えて嬉しい、価格(株価)が上がれば資産(評価額)が増えて嬉しい、ゴールベース思考を強く持って、このくらいの気持ちで投資するのが理想だと思います。

 この暴落相場でも、常にゴールベースで判断することで、心が乱されることは減ってくると思います。目標と今とのギャップを意識して、どう行動するべきかに焦点を合わせましょう。逆に、今のように日々、乱高下する株価を直視するだけではマーケットベースで判断しかねないことになります。今日、明日儲けるために、資産のピークを今迎えるために投資した訳ではないはずなのに、これはおかしなことです。

(2)株価の歴史を思い出す

米国株は、NYダウもS&P500もナスダック総合指数も、歴史を振り返れば大きな下落があれども、常に高値を更新してきた歴史があります。日本株も2012年末のアベノミクス以降は、同じく大きな下落があれども、その後高値を更新してきました。長期の実績を振り返れば、目先の暴落への恐怖も薄れるのではないでしょうか。下落後のリバウンドを狙いに行こうと思えてくるかもしれません。私は、投信積立を止めていませんし、毎月の買付予算での個別株への投資も通常どおり行っています。

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