パリで東京のリベンジを果たせなかった瀬戸大也だが…
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 男子200m個人メドレー決勝。バタフライ、背泳ぎまでは、シーズンベストを出した準決勝とほぼ変わらないペースで泳ぐ。ただ、ギアをもう一段階上げたかった平泳ぎで、力みが生じて思ったように進めない。その影響が最後の自由形に及ぶ。ラスト15mでキックは力強く打てているものの、プルの動きに伸びがなく進まない。

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 結果は、1分57秒21の7位。大会2日目に泳いだ、男子400m個人メドレーと同じ7位で、瀬戸大也は3回目の五輪を終えた。

「メダルラインが1分56秒00だったので、自己ベストが達成できていれば(メダルも)いけたレースだったと思う。でも、うまく泳げなかった。ベストを出したかったけど、それに及ばなかったことは悔しい」

 時折言葉を詰まらせながら話す瀬戸の姿は、悔しさのなかにもすがすがしさを感じた。どこか、憑きものが落ちたようにすら見えた。

 それは、大会2日目の男子400m個人メドレーの予選後にも感じたことだった。

 久しぶりにバタフライから積極的に攻めるレースを見せ、200mの折り返しは1分58秒45。前半の200mで2分を切って泳ぐのは、国内外含めて大舞台では実に3年ぶりだ。その後の平泳ぎ、自由形は周りの様子を伺いながら泳ぎ、余裕を持って全体の3位で予選を通過した。

「東京五輪の悔しさを晴らすことができました」

 この事実が、瀬戸をホッとさせて笑顔にした。だが同時に、気を引き締めなければならないところだったが、どこか弛緩につながってしまったのかもしれない。

 勝負の決勝レース。予選と同じくバタフライから攻めるレースを見せるが、どこか硬い。背泳ぎで少し無理をしているようにも見えたなか、前半の200mは1分59秒66と、予選よりも少し落としてしまう。

 もうこの時点で、体力を消耗していたのだろう。平泳ぎに切り替わったところまでは良かったが、250mから300mのラップタイムがガクンと落ちた。決して、力を溜めたのではないことは見て分かった。

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予選では見せていた“好調の証”