満を持してのA代表招集が期待されるのが、MF松木玖生(FC東京)だ。2003年4月30日生まれの21歳。青森山田高校時代に1年時から選手権で活躍して高校サッカー界のキングとして全国優勝を果たした男。強靭なフィジカルを武器とし、それ故に当時から「将来性」に関しては疑問符を投げかける声もあったが、プロ入り後も順調にプレー時間を確保しながら結果を出し、今季からはキャプテンマークを巻いて奮闘。ピッチ全体をカバーする運動力と左足の決定力を持ち合わせており、U-23アジアカップでは国際舞台で不可欠なインテンシティの高さと強いメンタリティを改めて見せつけた。同じく中盤の軸としてパリ行きが確実で、すでにA代表招集済みの藤田譲瑠チマとともに、五輪後のA代表定着を期待したい。森保ジャパンに新たな刺激を与えられるはずだ。

 アタッカー陣では、鈴木唯人(ブレンビー)のA代表再招集からの定着を期待したい。2001年10月25日生まれの22歳。市立船橋高校から2020年に清水エスパルスに加入すると、高卒1年目からリーグ戦30試合に出場。力強いドリブルと左右両足からの強烈なシュートで注目を集め、国内組限定だった2022年1月の親善試合ウズベキスタン戦で追加招集された(試合は新型コロナウイルス感染拡大の影響により中止)。その後、やや伸び悩みの感があったが、自身2度目の海外挑戦となったデンマークの地で今年に入って定位置を掴むとともに大きく躍動。個人能力の高さが際立つインパクトのあるゴールを量産している。その活躍で、欧州内での注目度と移籍金が一気にアップしたと報道されており、五輪で活躍すればさらに市場価値は上がる。現在の森保ジャパンには2列目のアタッカー陣は最激戦区になっているが、その争いに加われる力は間違いなくある。

 過去を振り帰っても、「五輪経由A代表入り」は日本代表強化の常套ルート。フランスの地で味わうものが「歓喜」であればいい。例え「悔しさ」であったとしても、その後のサッカー人生に間違いなく生かすことができる。今夏のパリ五輪を経て、大きく進化してA代表に新風を吹かせる選手の登場に、大いに期待したい。

(文・三和直樹)

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