プロ野球の補強期間が7月31日に終了した。終了直前の30日にロッテがメジャー通算103勝を誇り、2015年にはサイ・ヤング賞も受賞した左腕のカイケルを獲得して大きな話題となったが、シーズン開幕後に成立したトレードは2件(金銭でのトレードを含む)、移籍した選手は3人と昨シーズンの5件、12人と比べて少なく、比較的動きは少なかった印象だ(以下、文中の成績は7月31日終了時点)。
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残りのシーズンは現有戦力で戦うしかないが、もう少し“緊急補強”に動くべきだった球団もあるのではないだろうか。まずセ・リーグで挙げたいのが広島である。中軸として期待された新外国人のレイノルズが6月に左肩の手術を受け、一軍での出場がわずか2試合(4打数無安打)で退団。もう1人の新外国人野手であるシャイナーもここまで一軍では4安打、1本塁打とほとんど戦力になっていない。
7月上旬にはエルドレッド駐米スカウトと庄司隼人編成担当がマイナー・リーグの試合を視察している様子も報道されたが、結局新たな外国人プレイヤー獲得には至らなかった。また、トレードについても選手を獲得したケースは2019年の三好匠(現・一軍内野守備・走塁コーチ)が最後であり、それ以降は金銭トレードで選手を放出しただけとなっている。現在チームは混戦の続くリーグで巨人、阪神と首位争いを演じているが、チーム打率.231、チーム本塁打35本はいずれもリーグ最下位であり、これまで15度の完封負けを喫するなど得点力不足に悩んでいる状況を考えると、もう少し補強に動いても良かったのではないだろうか。
野手に関しては矢野雅哉が成長してショートのレギュラーをつかみ、小園海斗も安定した成績を残しているが、ベテランへの依存度が高く、まだまだ若手の台頭には時間がかかるように見える。新井貴浩監督が補強を断ったという話も出ているが、6年ぶりとなるリーグ制覇のチャンスがあるシーズンだけにもったいない印象は否めない。