元朝日新聞記者 稲垣えみ子
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 元朝日新聞記者でアフロヘアーがトレードマークの稲垣えみ子さんが「AERA」で連載する「アフロ画報」をお届けします。50歳を過ぎ、思い切って早期退職。新たな生活へと飛び出した日々に起こる出来事から、人とのふれあい、思い出などをつづります。

【写真】氷見の方々が工夫を凝らした「こんかプレート」

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 食にうるさい知人に教えてもらった煮干しにどハマりしている。富山の氷見にある小さな水産加工会社の製品で、味噌汁の出汁をひき一口食べて「ナニコレ!」と。こんな地味な日用品にこれほどの情熱を注ぐって只事じゃない。どんな人が作っているのかと関心を持ち六代目当主と交友を結ぶに至った矢先、先日の能登半島地震で加工場が甚大な被害を受けたことを知る。

 といって何ができるわけでもなく、壊れた冷蔵施設に保管されていた製品の緊急販売に多少の協力をするなどしていたところ、先日、地震の後に仕込んだ「鰯のこんか漬け」(氷見のアンチョビ)が出来上がったので祝いの会を開くとお知らせを頂いた。それは目出度い。ということで、件の知人と行って参りました。

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稲垣えみ子

稲垣えみ子

稲垣えみ子(いながき・えみこ)/1965年生まれ。元朝日新聞記者。超節電生活。近著2冊『アフロえみ子の四季の食卓』(マガジンハウス)、『人生はどこでもドア リヨンの14日間』(東洋経済新報社)を刊行

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