最大の敵は、世界ランキング1位から4位までを占めている中国勢(王楚欽、梁靖崑、馬龍、樊振東)で、当然、個人戦だけでなく、5大会連続の金メダルを狙う団体戦も死角がない。さらに他にも強力なライバルたちがおり、2022年の欧州王者で27歳と脂が乗っている世界ランキング11位のダン・チウに、オフチャロフ(同14位)、ボル(同24位)のドイツ勢、そして20歳の兄アレクシスと17歳の弟フェリックスのルブラン兄弟を擁する地元フランス勢は、かなりの強敵だ。特に2023年の欧州王者で、最新の世界ランキング5位のフェリックスは中国勢を倒せる実力と勢いを持っており、地元開催であることもプラス。団体では、スウェーデン、チャイニーズタイペイ、韓国も簡単に勝てる相手ではない。張本が“エース力”を発揮できるかどうか。戸上の攻撃的なスタイルがハマるかどうか。客観的に見ても、メダル争いは面白い展開になりそうだ。

 一方の日本女子は、早田ひな、平野美宇、張本美和が出場し、最新の世界ランキングは、早田が5位、張本が7位、平野が13位となっている。こちらも1位から4位までを中国勢が占めており、今回のパリ五輪には東京大会と同じメンバー、23歳の孫穎莎(1位)、25歳の王曼昱(2位)の2人に、大舞台に強いベテラン・30歳の陳夢(4位)が選ばれた。それに続くのが日本勢となる。韓国代表の申裕斌も注目の選手ではあるが、男子と違って女子は「中国vs日本」の一騎打ちの様相を呈している。

 エースとして最も期待される早田は現在24歳。安定感、爆発力を持ち合わせ、3人とも右利きの中国勢に対しての左打ちも有効だ。前回の東京大会ではリザーブに回ってチームをサポートする役割に徹したが、今度は自らの力でメダルをもぎ取るため、闘志満々にパリに乗り込んだ。同じ24歳の平野の爆発力、16歳の張本の成長力に期待しながら、大会の中で3人がどこまで相乗効果を発揮できるかどうか。準決勝が大きな山となり、中国の壁は高いが、団体でのメダル獲得は確実で、シングルスでも早田は中国勢に勝てる力がある。

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