パリ五輪でメダルが期待される卓球の早田ひな
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 いよいよパリ五輪がスタートする。夏の五輪における日本のメダル獲得総数が直近4大会で右肩上がりとなっている中、パリの舞台で4大会連続のメダル獲得を期待されている競技が「卓球」である。

【写真】世界選手権団体戦の南アフリカ戦で「完封」した平野美宇

 五輪卓球の歴史は思ったよりも浅く、1988年ソウル大会で正式種目となったばかり。長く“中国一強”の時代が続き、日本勢もメダルには手が届かなかった。その流れが福原愛の登場からの日本の卓球人気上昇とともに変化し、2008年北京大会では団体で女子が4位、男子が5位と“あと一歩”に近づくと、2012年ロンドン大会の女子団体(平野早矢香、福原愛、石川佳純)で悲願のメダル(銀メダル)を獲得した。

 さらに続く2016年リオ大会では、男子団体(水谷隼、丹羽孝希、吉村真晴)が銀メダル、女子団体(福原愛、石川佳純、伊藤美誠)が銅メダルを獲得し、男子シングルスで水谷隼が個人初の銅メダルを手にした。そして前回の2021年東京大会では、男子団体(水谷隼、張本智和、丹羽孝希)が銅メダル、女子団体(石川佳純、伊藤美誠、平野美宇)が銀メダル、女子シングルスで伊藤美誠が銅メダルを獲得すると、混合ダブルス(水谷隼、伊藤美誠)で日本卓球史上初の金メダルを獲得して“ハグ拒否られ事件”がありながらも大きな歓喜に包まれた。

 迎える2024年パリ大会、日本男子は張本智和、戸上隼輔、篠塚大登の3人が出場する。エースは張本で、現役引退した水谷の分の期待も背負っている。一時は世界ランキング2位となった実力を持つ張本だが、7月23日に発表された最新の世界ランキングは9位(戸上は15位、篠塚は39位)となっている。張本の魅力は大舞台での爆発力にあり、シングルスでもメダルを狙える存在であることに間違いはないが、最近は安定感を欠いており、現在の世界ランキングはライバルが多いことも意味する。

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日本のライバルは?