6月、天皇、皇后両陛下が国賓として英国を訪問した。チャールズ国王夫妻ら英王室メンバーと和やかに交流した後に向かったのは英国最大の子ども向け専門博物館。この博物館を訪ねてみると、天皇、皇后両陛下の影響で折り紙が好きになったと話すスタッフに出会った。日英の間に新たな息吹が生まれている。 

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国賓として英国訪問中の天皇、皇后両陛下が向かった先は…

「ヤングV&A(旧V&A子ども博物館)」を訪ね、折り紙のワークショップを視察した天皇皇后両陛下。子どもたちに気さくに話しかけていた=2024年6月27日、ロンドン(photo 朝日新聞社)
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 ロンドン東部に位置する「ヤングV&A(旧V&A子ども博物館)」。膨大な美術工芸品の宝庫「V&A(ビクトリア・アンド・アルバート博物館)」の分館で、1974年、イギリス最大の子ども向け専門博物館としてオープンした施設だ。その充実した内容で国内外でよく知られていたが、6月27日、国賓として訪英中だった天皇、皇后両陛下が訪問。注目度が一段と上がったようだ。

「ヤングV&A」は、地下鉄セントラルラインのベスナル・グリーン駅近くの豊かな森の中にある。2023年7月には、約26億円をかけた改修工事を終えて、「ヤングV&A」と改称してリニューアルオープン。生まれ変わった博物館を祝って、キャサリン妃が駆け付け、施設の素晴らしさを称賛している。キャサリン妃は、子どもたちがそれぞれの課題を見つけ、自ら解決に取組む自主性を育てる教育環境の重要性を訴えている。「ヤングV&A」はその目的にぴったり合うという。

「ヤングV&A」の外観。休館はクリスマスだけで、午前10時から午後5時45分(ギャラリーは5時)まで開放される。最寄り駅はべスナル・グリーンだが、ベビーバギーで来る人には段差の少ない別の駅を紹介するなど、徹底して来館者に寄り添う姿勢を感じた(photo 多賀幹子)

 7月、筆者は現地で「ヤングV&A」を訪ねた。3つの三角形の屋根には思わずワクワクするし、館内に入れば巨大なドームに圧倒される。「デザイン」「イマジン」「プレイ」などをテーマにしたギャラリーが並び、館内にある清潔なカフェでは親子がくつろいでいた。驚くのは「Free for All(すべて無料)」で予約もいらないことだ。

「ヤングV&A」に一歩足を踏み入れると、高いアーチ型の天井から光が差し込み、そのスケール感に圧倒された=ロンドン(photo 多賀幹子)
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多賀幹子

多賀幹子

お茶の水女子大学文教育学部卒業。東京都生まれ。企業広報誌の編集長を経てジャーナリストに。女性、教育、王室などをテーマに取材。執筆活動のほか、テレビ出演、講演活動などを行う。著書に『英国女王が伝授する70歳からの品格』『親たちの暴走』など

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英国最大の子ども向け専門博物館とは