天皇、皇后両陛下の訪問で日本に関心

バッキンガム宮殿で、チャールズ国王、カミラ王妃にお別れのあいさつをする天皇、皇后両陛下。この後、「ヤングV&A」に向かった=2024年6月27日午前10時4分、ロンドン(photo 朝日新聞社)

 ここに、天皇、皇后両陛下が視察に来られた。その直前には、バッキンガム宮殿でチャールズ国王夫妻とにこやかにお別れのあいさつを交わしたばかり。ロンドン中にあたたかい空気が広がる中、今度は子どもたちの前に登場したとあって、館内は歓迎ムード一色となった。

 天皇、皇后両陛下は、ブロックで遊ぶ日本人学校の児童の手元をのぞきこみ、「よくできています」と声をかけられた。一人の男の子の「カーペットは土足禁止です」との言葉に思わず笑顔を見せる場面も。折り紙ワークショップでは、イギリスの小学3年生の児童に話しかけた。「難しいですか」と尋ねると「大丈夫です」との答え。お二人は頼もしそうにうなずいた。その後、「となりのトトロ」のパフォーマンスを日英の子どもたちと鑑賞された。

 そんな両陛下の様子は、周囲の大人たちの心もつかんだ。ある同館ボランティアの男性は、折り紙に関心を持ち、以来、テキストを見ながら折り紙と向き合っているという。「簡単そう」と始めたが、意外と難しいと笑う。「手と目を使うので、集中力が必要。子どもたちだけではなく高齢者にも良いと思う」と話す。

 男性は子どもの時にコソボからイギリスに渡った。今は週に一回、館内を案内したり子どもと遊んだりするボランティアだが、天皇、皇后両陛下の訪問は、日本に関心を持つきっかけとなったようだった。

 日英両国の交流の場となった「ヤングV&A」。天皇、皇后両陛下の訪問でその存在感はさらに増しているようだ。

(ジャーナリスト 多賀幹子)

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多賀幹子

多賀幹子

お茶の水女子大学文教育学部卒業。東京都生まれ。企業広報誌の編集長を経てジャーナリストに。女性、教育、王室などをテーマに取材。執筆活動のほか、テレビ出演、講演活動などを行う。著書に『英国女王が伝授する70歳からの品格』『親たちの暴走』など

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