子どもは遊びを通して自分を見つける
展示は一般的な博物館とは異なって、子どもたちのために直に触れられる体験型交流が絶対条件であるとの考えで貫かれている。
赤や青の紙製レンズのメガネでものを見比べたり、緑色の砂に様々な道具で好みの形を作り出したり。用意された衣装や帽子からお気に入りを選んで身に着け、ステージに立つこともできる。赤いじゅうたんの本格的なステージでは、5歳の女の子が歌いながらダンスを楽しんでいた。
ゲームのコーナーもある。トランプなども置いてあるが、人気があるのは、自分でゲームを創作するテーブル。子どもは遊びを通して、自分を見つけていくのだという。トリストラム・ハント館長は、声明の中で「子どもの好奇心や実験心をはぐくみ、遊びを祝福する世界的な博物館です」と述べている。
壁には子どもたちの写真が数多く飾られている。男女関係なくバットを構え、読書に没頭し、レゴをこしらえるなど夢中になる対象は実に多様だ。添えられているメッセージは「自分らしさこそすべて」「人と比較しない」「あなたを作るのはあなた」。いずれも子どもたちに向けて力強く呼びかけている。
3歳の孫を連れた女性は、働く娘のために孫と一日ここで遊ぶ。「ここは孫娘が大好きなんです。教育的だけれど面白く、一緒に楽しんでいますよ」と笑う。同館の担当者によれば、多い時は一日に2千人ほどが訪れるそうだ。