「明菜ちゃんに会いたいんだけど、行っていいかな」
前日の12日に父や母に聞くと、
「うん、東京だろ。行っておいで」
と許してくれたという。
「私たちは、親がそういう状況になる世代ですもんね。明菜さんも元気、私も家族も元気、みんなが元気であってこその奇跡!」
同市の清瀬市郷土博物館では、12日から4日間、清瀬駅のメッセージパネルで使われたデザインの公式ポストカードを無料配布した。こちらにも多くのファンが訪れ、毎日用意していた1千枚、計4千枚がすべてなくなったという。
市シティプロモーション課によると、13日の誕生日にあわせて海外から来た人、イベントのチケットは外れたものの清瀬を訪問した人もいたようだという。
イベントのチケットの抽選には外れたものの、清瀬を訪れた埼玉県の50代男性は、中森明菜の「復活」への気持ちをこう話す。
「抽選には漏れてしまいましたが、イベントではファンに投げキッスをしたという様子を知り、『わぁ、ホント元気なんだ!』と。中森明菜が生きているっていうだけで喜びです。歌えなくても、穏やかに、幸せに過ごしていてくれたらそれだけで十分」
中森明菜は、一連のイベントを終えた翌日の15日には、セルフカバーした5曲を配信リリースした。
一歩ずつ進む中森明菜を、じっと温かく見守るファン。長らく待ち続けてきたファンの熱量を再確認できた、13日の「聖地」だった。
(AERA dot.編集部・太田裕子)