歌手の中森明菜は7月13日、59歳の誕生日を迎えた。誕生日の前後には、約6年半ぶりのライブイベントが開催され、「復活」への期待も高まっている。中森明菜が育ち、「聖地」として知られる東京・清瀬市にも、熱い想いを持ったファンが集まってきていた。
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中森明菜は、誕生日の13日にあわせて12~14日、都内で全5公演のファンクラブイベントを実施した。ファンの前で歌声を披露したのは、2017年12月のディナーショー以来となる。
この誕生日にあわせてファンが集ったのが、「聖地」となっている清瀬市だ。
地元の西武鉄道・清瀬駅は今年、開業から100周年。6月から新しい発車メロディに、上りは「DESIRE−情熱―」、下りは「セカンド・ラブ」といった中森明菜の楽曲を採用した。駅の構内には「清瀬駅100周年おめでとうございます」と中森明菜が直筆したメッセージボードも置かれた。
ボードの設置は当初、6月末までの予定だった。しかし、ファンの声を受けて、誕生日の後の7月15日まで延長。ファンたちが誕生日に合わせて続々と訪れることになった。
一度でいいから会いたい
気温が30度を超えた13日の昼前、汗だくになりながらキャリーケースを引っ張り、メッセージボードの前にやって来たのは、鹿児島県の60代女性だ。
この日と翌日のファンクラブイベントのために上京。豪雨の鹿児島から羽田空港に着き、そのまま清瀬駅まで直行してきたという。
「20歳くらいのときからファンです。明菜さんが出た『スター誕生』は、うちは田舎だったから放送されていなかったんですよ。一度でいいから会いたいと思って来ました」
これまでずっと子育てなどで時間がなく、前回のディナーショーは金銭的な余裕がなくてあきらめた。しかし、今回は違った。
「32歳になった息子が、全額チケット代を出してくれました。前回断念したのを知っていたから、『お金出してあげるから行ってきな』と言われて。でも、8万円近いチケットなのに、息子も2公演も当たると思わなかったんじゃないかしら」