自身がそう思えるようになったのは、「ここ2、3年の変化」だ。佐久間は18年頃から変わった、とメンバーにも言われているが、「そのころ変わったのは心構えですね。嫌われてもいいなって思えるようになったのがそのへん。考えとして、個を大切にするっていうのを感じられたのはこの2、3年かな」。

相手の目線に立って物事を見る

「俺、人の個性がめっちゃ好きなので。どういう個性を持ってても、俺は持ってねえな、すげえな、と思う。偏見は一切持ってない。その人の個性だから尊重されるべきだと思う」

 こうした変化が起きたのは「人間でも動物でも、相手の目線に立って物事を見るようになったからかな」と顧みる。

「相手の目線に立たないと、何が嫌で何がうれしいかって、わかんないですよ。それができるようになると、俺がこの人だったらこれ言われたくないなとか、これは好きじゃないんだろうからやらないでおこうとか、自分のなかで相手のことを考えられるようになる。これはあまり気にしていないみたいだから、じゃあ俺の好きにしよう。変に気遣わなくていいかな、だってこれが俺だし、って。そんなふうに再認識できたのが最近ですね」

両方の視点があるから寄り添える

その「目線」は無論ファンにも向けられている。小さなことで言えば、以前プロデュースしたツアーグッズも、自己紹介曲での登場順に色が変わるペンライトなど非常に考えられていた。

「だって、せっかく買うのに使わないの嫌じゃないですか(笑)。だから、これも買いたいあれも買いたいになるといいよね、と思って。あとは、すごいコスパを気にしてます。『これかわいいんだけど、たっかー!』は、難しいじゃないですか(笑)。俺も、ライブとかアニメのグッズとかでコンプしたいとき、『この値段かー。ま、買うけど、んー』みたいなの、あるから(笑)。好きなものに投資したくなっちゃう気持ちは、すごくわかるので」

 自他ともに認める「アイドル兼アニメオタク」。自分にも“推し”がいるからこそ、「やっぱりファンの気持ちがわかってないと」という思いは強い。

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