収集業務は便槽にホースを入れるだけに見えるかもしれないが、細やかにホースをコントロールする技術が必要だ。
便槽の中にホースを入れ、し尿の表層と同じ高さにキープするが、吸引力が強いため結構な腕力がいる。かなり速く吸引されるため、表層の位置が下がっていくのに合わせて高さをキープしなければならない。
吸引が弱くなったと感じたときは、いったんホースを汚物から外し、空気を吸い込ませてホース内の汚物をタンクへ送る。その際には「ゴロゴロゴロゴロ」という音が響いてくる。
やがてタンクの中に汚物が入ると「スーーー」という音に変わる。この「息継ぎ」が終われば再度、汚物の表層にホースを近づけて吸引作業を続ける。
生理用品やカイロが入っていることも
便槽にはし尿やトイレットペーパーがあるが、生理用品や冬場はカイロが入っていることもある。カイロは吸い込めないため、汲み取りの依頼者に処理を依頼するが、対応が難しい場合は別途収集することもある。