兵庫県の斎藤元彦知事のパワハラなどの疑惑を告発していた県西播磨県民局の元局長(60)が亡くなった問題で、元局長は「死をもって抗議する」というメッセージや斎藤知事が自治体に「おねだり」をしている音声データなどを残していた。斎藤知事は続投の意向を繰り返すが、新たな疑惑の噴出は止まらない。
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斎藤知事の疑惑を追及するために県議会に設置された百条委員会の理事会が7月16日に開かれた。内部告発をした元局長は、7月19日の委員会に証人として出席予定だったが、7日に死亡した。自殺とみられている。その後、遺族が百条委員会に、元局長が残した陳述書や音声データを送っていた。
16日の理事会では、遺族が送ったデータについて検討された。音声データは、県内自治体から特産ワインの販売を推進する話が出たとき、斎藤知事がワインを「おねだり」したとされるものだった。
県議会関係者によれば、
「陳述書はA4サイズで10ページほど。内部告発の項目ごとに、具体的な根拠が書かれていた。音声データも公開された。斎藤知事が『私もワインを飲んでみたい』と言っている声があり、いかにも『おねだり』している感じがした。また、元局長のメッセージには『死をもって抗議したい』という内容が書かれていた」
理事会では、これらの資料の取り扱いを19日の次回委員会で諮ることを決めた。
「県庁には毎日、抗議や批判が殺到していて、知事選で斎藤知事を推薦した維新の議員も反対できない状況。百条委員会の証拠として採用される可能性が高い」(県議会関係者)
ワインを「おねだり」された上郡町役場に聞くと、
「現時点では百条委員会のこともあるので、事実関係については控えたい」
と、まだ百条委員会の議案になっていないのに、斎藤知事に“忖度”する様子だった。