続けて記者が、椅子やテーブルの所在を問うと、知事は「認識していない」とのことだった。このため会見中に県職員が調べたところ、サイドテーブルは知事応接室で使用しているが、椅子は倉庫に埋もれていることがわかった。
丹波新聞の記者はさらに、
「この椅子とテーブルは販売されておらず、施設用に作られたものだった。大勢いる前で知事から『いいね』『使いたいね』と言われると、施設側は断るのが難しい。贈答の強要ではないか。パワハラにもつながりかねない。他の施設でも類似事例があるのではないか」
と追及。
斎藤知事は、
「ご指摘を真摯に受けとめ、今後はルール作りをしたいし、私自身の対応の仕方を改めていきたい」
と“火消し”に走るのがやっとだった。
椅子とテーブルを知事に提供した施設の担当者は、
「椅子が倉庫に眠ったままと聞き、残念です」
と力なく話した。
百条委でも「県職員は本当のことを言えないのでは」
同じ日の記者会見で、元局長の「死をもって抗議する」というメッセージについて問われた斎藤知事は、
「詳細は承知していませんが、百条委員会への対応のプレッシャーもあったと考えています。精神的なケアの準備も進めていたので残念」
などと答えた。
これについて、斎藤知事の疑惑を追及してきた丸尾牧県議(無所属)が問題視する。
「元局長が亡くなったが、メンタルケアの準備をしていた、悪いのは知事自身ではなく百条委員会だという記者会見でしょう。百条委員会で県職員が証人に呼ばれますが、斎藤知事に忖度して本当のことを言えない可能性が高い」