斎藤知事に辞職を促した自民党兵庫県連会長の末松信介参院議員(中央)

県のPRうちわに自らの写真を使うよう指示

 17日の県議会の特別委員会では、県のデジタル商品券をPRするうちわやポスターに斎藤知事の写真が使われた経緯が問題になった。

 委員からの質問に答えた担当者は、もともとうちわに知事の写真は入れないデザインだったが、
「顔写真を入れるようにと斎藤知事から指示があった」
 と答弁したのだ。

 2014年には当時の法相だった自民党の松島みどり衆院議員が、自身のイラストいりうちわを選挙区内で無料配布したことが、公職選挙法に抵触するのではないかと問題になったことがある。斎藤知事は税金を使って、自らのPRに利用した疑いも出てきた。

自民党県連が事実上の辞職勧告

 斎藤県政を支えてきた県議会最大会派の自民党は、すでに斎藤知事を見限っている。

 自民党県連会長の末松信介・元文部科学相は7月14日の県連大会で、
「知事には大きな、正しい決断をしていただきたい」
 と事実上の辞職勧告をした。

 このことについて、会見で問われた斎藤知事は、
「選挙で県民の負託を受けている」「県政を立て直すのが責任の果たし方」
 などと何度も繰り返し、辞職を否定し続けた。

 だが、兵庫県選出の自民党国会議員はこう話す。

「もう次の知事候補の人選に入っている。兵庫県の元部長だったキャリア官僚が有力候補だ。それが前提にあるから、末松会長も最後通牒のような話をしている」

 これで斎藤知事は、どうやって県政を立て直すのだろうか。

(AERA dot.編集部・今西憲之)

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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