「ボン・クレーの動きを見た時に、回転がすごく速かったので、まず『スピンを速く回らないといけないな』とか。でもツイズルなど、フィギュアの技がいろいろ入るのかなとワクワクしながら振付に入っていたので、『こういうところで(技を)やるんだ』とか、作っていく過程がすごく楽しかったなと」(本郷)
無良と本郷が感じていたのは、『ONE PIECE』のキャラクターを演じる難しさとやりがいだった。「違うファンが受け入れてくれるって、超嬉しくない?」という無良に、本郷は「嬉しいけど、でも最初にイメージがあるからこそ、難しくて」と応じる。
「今までは、自分が表現したいものを表現していたから。(ONE PIECEでは)キャラクターのイメージを表現しなきゃいけないというものがあったから難しかったけど、その分やりがいもあったし、喜びが大きかったです」(本郷)
初演のキャスト、またスタッフが再び集まって再演を迎えることについて、本郷は「シンプルに嬉しい」と声を弾ませた。
「去年、終わるのがすごく淋しかったんですよ」という本郷に、無良も「そう」とうなずく。
「リハーサル期間、そして10公演あったのに、すごく終わってしまったのが淋しくて、『またみんなに会いたい』って。公演が終わった後、スケートの会場でキャストに会うと「あっ!」とか言って、役の名前で呼んだりして。『仲良しになったな』ってすごく思えていたので、また集まれるのがすごく嬉しいです」(本郷)
LaLa arena TOKYO-BAYで行われる再演は、千葉県出身の無良にとっては地元での公演でもある。
「前回にはなかったパートもあるという、“ほんのりの噂”は聞いているので。楽しみにしていてもらえればと思います」(無良)
物語の要となる王女ビビ役を演じる本田は、役柄を地でいくような白いドレス姿で取材に応じた。淑やかな姿とは裏腹に、強調したのは「体力」の重要性だった。
「今まで(競技としての)スケートで、(試合)本番に皆さんの前で演技する時はフリーでも4分ぐらいしか氷の上には立たないので。ビビ役では一時間半ずっとスケート靴を履いていて、そういう部分でも今までと大きく違いました。リンクの裏を走りまわったこともなかったですし、(衣装の)早替えも常に危機感を持って挑んでいたので、相当な達成感があります」