リリーフ陣は昨オフにエンゼルスに復帰した元ソフトバンクのマット・ムーアが苦戦し、FAで3年契約を結んだロバート・スティーブンソンは肘の手術で今季は全休。“170キロ投手”として鳴り物入りで入団したベン・ジョイスも防御率3.97とメジャーの打者相手にはこれまでのところ自慢の速球が通用していない。チームの救援防御率も下から2番目のリーグ14位(4.73)となっている。
メジャーリーグ公式サイト『MLB.com』が7月1日付けで発表した戦力値のランキングでも30チーム中26位と相変わらずの低評価。ポストシーズン出場はかなり厳しい状況となっており、1カ月を切ったトレード期限までに“売り手”に回るのは不可避だと思われている。
好調を維持するアンダーソンは先発投手ということもあり今夏の市場では人気となりそう。年齢も34歳であり、再建中のチームとしては“売り時”。アンダーソンを放出してプロスペクトを複数獲るという戦略は理にかなっていると言えるだろう。
また野手で他球団の“狙い目”とされているのは外野手のウォード。2022年に打率.281(495打数139安打)、23本塁打、65打点とブレイクしたウォードは、今季も打率こそ.239と落としているが14本塁打を放つなど、持ち前の長打力を発揮している。年齢も30歳であり、かつ他チームからの需要もある。アンダーソンと同じく、トレードという意味では絶好のタイミングの選手かもしれない。
そして、彼ら以上に行方が気になるのが現在離脱中のトラウトの存在。先述の通り、4月に左膝を負傷してチームから離れていたが、今月末までには復帰できる見込みが立っている。
近年はこの時期になると毎年トレードの噂が出ているが、本人やGMを含めて移籍には慎重な姿勢を保っている。だが、やはり殿堂入り間違いなしと言われるスーパースターがこのまま“未来”エンゼルスにいるべきではないという声は多い。