昨オフにドジャースに移籍した大谷翔平が新天地で躍動している。今季は昨年に肘の手術を受けた影響で“打者一本”での出場となっているが、ここまで打率.316(ナ・リーグ2位)、27本塁打(同1位)、64打点(同3位)と三冠王が視野に入るほどの活躍ぶりだ。
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日本ではその大谷のパフォーマンスとともに新天地ドジャースの強さも報じられるが、気になるのは大谷がメジャーで最初に在籍し、6年間プレーしたエンゼルスの戦いぶりだ。
今季は大谷が抜けたことから下馬評が低かったが、予想を覆すことはできずここまで苦戦。現地7月4日終了時点でア・リーグ西地区で36勝50敗の4位となっており、2014年以来となるポストシーズン進出は早くも厳しい情勢となっている。
投打で主力だった大谷が抜けた割には善戦しているとも言えるが、“弱点”が改善できておらず、さらなる暗黒期が続く雰囲気も漂わせている。打つ方は大黒柱のマイク・トラウト外野手が開幕早々に膝の怪我で離脱したものの、ローガン・オホッピー捕手、ザック・ネト遊撃手ら若手が奮闘し、ルイス・レンヒーフォ二塁手、テーラー・ウォード外野手など、打線はハマればリーグ屈指の破壊力を秘めている。
昨年は本塁打王を獲った大谷の存在も大きかったが、他の選手も長打力を発揮し、ア・リーグ3位のチーム本塁打(231)をマークしていることからも打線には元々力はあった。先述した選手以外にもミッキー・モニアック、ジョー・アデル両外野手らポテンシャルが高いプレイヤーが在籍しているだけに、野手陣は未来に向けて期待が持てる状況と言ってもいいだろう。
だが昨年ア・リーグ15チーム中12位だったチーム防御率(4.64)は全く上向かず、今季はここまで同リーグ最下位(4.62)。最も期待されていたプロスペクトの左腕リード・デトマーズは防御率6.14とデビュー以来、足踏み状態で、他の先発陣も安定感を欠いている。頑張っていると言えるのは2022年オフに3年総額3900万ドル(約63億円)で獲得した左腕のタイラー・アンダーソン(チームトップの7勝、防御率3.03)のみだ。