「ダイソン360 Eye」
「ダイソン360 Eye」
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「ダイソン360 Eye」。ロボットを駆動させる部分には“キャタピラー”を採用している
「ダイソン360 Eye」。ロボットを駆動させる部分には“キャタピラー”を採用している

 キャニスター掃除機で圧倒的人気のダイソンがついにロボット掃除機市場に参入した。吸引力の強さがウリの「ダイソン360 Eye」はどれほどの実力をもつのだろうか。

 ダイソンの掃除機は、「吸引力の変わらない、ただひとつの掃除機」というコピーのように、独自のサイクロン方式による強力な吸引力がウリだ。「ダイソン360 Eye」は、その技術を搭載して「他のロボット掃除機の4倍の吸引力」という高い吸引力を誇る。価格は13万8000円(税別)とかなり高額だ。ライバル製品は、アイロボット社の「ルンバ980」(12万5000円・税別)、「ルンバ885」(8万4000円・同)あたりになるだろう。

 「ダイソン360 Eye」は先行製品とどんな違いがあるのか。複数の項目をチェックして、その実力を確認しよう。比較するポイントは、形状とサイズ、掃除の仕方や動き方、ごみの取れ方、バッテリー、メンテナンス性、使い勝手――だ。

 まず、形状とサイズ。ルンバは家具の下にも入り込めるように、高さが9.2センチと薄く平べったい形状をしているが、「ダイソン360 Eye」はその高さが約12センチと少し大きい。ただ、テストで使用した環境下では、ソファやベッドの下は12センチ以上の隙間があり、まったく問題なかった。むしろ、本体幅がルンバよりコンパクトであるため、テーブルとイスの狭い場所でもスムーズに入っていった。

 次に、掃除の仕方や動き方だ。走行パターンは基本的に四角を描くように清掃していく。本体には赤外線センサーを備えており、障害物を検知して避けて動く。障害物が少ない広いスペースでは効率的に掃除できるが、部屋の形が入り組んでいたり、家具が多いところでは掃除ができてない箇所もあった。この点は、ルンバのほうが精度が高いといえる

 ごみの取れ方は、「ダイソン360 Eye」のほうが優秀だった。毎分7万8000回のスピードで回転する「ダイソンデジタルモーターV2」、そして「ラジアルルートサイクロンテクノロジー」でほこりとごみを効率的に分離できる。他社製品と異なり、ロボットを駆動する部分に「キャタピラー」を採用している。部屋の中央に1センチ強の厚さのラグを置いた環境下でも、特に引っかかることなく、進んでいた。

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