ドウデュースなど日本馬の凱旋門賞出走はあるのか?
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 2024年の欧州競馬も愛ダービーまでを終えて折り返し地点に。ここらで恒例のひと足早い凱旋門賞展望を始めてみようと思う。

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 昨年は3歳の仏ダービー馬エースインパクトが無敗で凱旋門賞を制覇。となれば、やはり今年も3歳馬のチェックからだろう。筆頭格は英ダービーを快勝したA.オブライエン厩舎のシティオブトロイ。2歳時にG1を勝ち、今年初戦だった英2000ギニーを惨敗した直後に英ダービー制覇という戦績は、1歳上の厩舎の先輩であるディープインパクト産駒のオーギュストロダンをほうふつとさせる。

 オブライエン調教師はシティオブトロイの英2000ギニー9着という結果について、休み明けで調教ミスがあったとコメント。その言葉どおり叩き2戦目の英ダービーでは見事な変わり身を見せ、昨年の欧州2歳王者のタイトルが伊達じゃないことを証明した。

 ただしシティオブトロイが秋に凱旋門賞へ向かうかどうかは、やや疑問符が付く。なぜなら同馬は米三冠馬ジャスティファイの産駒であり、オーナーのクールモアグループも将来的にダート10ハロンの米G1ブリーダーズカップクラシックへの参戦に前向きだからだ。

 その挑戦が今年になるとはまだ明言されていないが、シティオブトロイの次走は12ハロンの愛ダービーには向かわず、10ハロンの英G1エクリプスステークスに決定済み。このまま10ハロン路線のG1アイリッシュチャンピオンステークスからBCクラシックというローテーションが有力に思える。もしくは8月下旬の米G1トラヴァーズステークスでダートを経験させることも考えられる。まだエクリプスS後の予定は不明だが、現時点では凱旋門賞に出ない可能性は十分にあると見ていいだろう。

 そうなると3歳勢の2番手は誰かという話になるが、英ダービーでシティオブトロイの3着だった愛ダービー馬ロスアンゼルス(同馬もオブライエン厩舎)よりも、仏ダービーを無傷の3連勝で制したルックドヴェガの方に魅力を感じる。

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現時点で有力馬は不在?