加えてオーギュストロダンには重馬場が苦手という明確な弱点がある。オブライエン調教師も「動きが綺麗だから、彼には速い馬場が非常に重要なんだ」と語るように高速の良馬場が好走の条件で、主戦のR.ムーア騎手はジャパンカップで乗りたいと話していたほどだ。仮に凱旋門賞に参戦となったとしても天候不順な秋のパリでは一抹の不安が残り、ブックメーカーのオッズも17倍前後で有力3歳馬たちとは大きな開きがある。

 そのオーギュストロダンに代わって古馬の1番手に浮上する可能性があるのがホワイトバーチ。昨年のクラシックではオーギュストロダンに歯が立たなかったが、前述のように今年のタタソールズゴールドカップではオーギュストロダンに3馬身差をつけてG1初制覇を飾った。

 今年は4月から重賞3連勝と本格化の兆しを見せており、4歳でエクリプスSと英インターナショナルステークスを勝った父ユリシーズの血が騒ぎだしたか。プリンスオブウェールズSは直前回避でオーギュストロダンとの再戦はお預けとなったが、次走は親子制覇がかかるエクリプスSが有力。ここではシティオブトロイとの激突となる見込みで、世代間のレベル差を図るうえでも見逃せないレースとなるだろう。

 エクリプスSには他にも5月の英G1コロネーションカップを勝った5歳馬ルクセンブルク、ハーツクライ産駒の4歳馬コンティニュアスも登録がある。あるいはホワイトバーチのような成長力を見せて下馬評を覆す古馬が現れるかもしれない。

 最後に日本馬についてだが、今年5月の時点で凱旋門賞に登録したのはドウデュース、レガレイラ、シンエンペラーの3頭。実績的には昨年の有馬記念で3度目のG1制覇を果たしたドウデュースが抜けているのだが、今年はドバイターフ5着、宝塚記念6着と不本意な結果が続く。

 宝塚記念後は放牧に出され、陣営は今後は何も決まっていないとコメント。3歳時に参戦した凱旋門賞は19着と大敗しており、重馬場適性に不安もあることから再度の挑戦が実現するかは微妙と言わざるを得ない。

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ここからのレースで勢力図はどうなっていくか