「まだがんの公表をしていなかったので対応が難しかった。直近での依頼であれば忙しいのでと断れますが、例えば夏の講演を頼まれたときに、死んでいる可能性が高いから受けるわけにもいかず、けれど公表していないから断るに断れない。ラジオやテレビのレギュラー番組もいつまでやっていいのか。できるかできないかは父にしかわからない。母が板挟みになってしまったんです」
生出演ラジオで公表
母親が参ってしまうのを見かね、康平さんは公表を進言。12月27日、森永さんは自身が生出演したラジオで公表した。公表するまでに時間がかかったのは、セカンド、サードオピニオンを求め検査を続けていたからだ。
「最初の検査ではCTを見てすい臓に影があるみたいというだけだったので、センシティブな病気ということもあっていろんな医者の意見を聞こうと話し合いました。別の医者に見てもらったら、スキルス胃がんじゃないかという話が出たり、腺がんの可能性も出てきたり。がん細胞を光らせるPET検査をしてもどこも光らない。5人の医者を転々として、結局どの医者も消去法的にすい臓がんだろうという結論になったんです」
〉〉【後編:森永卓郎さん、がん闘病中でも仕事に張り合い 見守る家族「自由に好きにしてもらおう」】に続く
(編集部・秦正理)
※AERA 2024年2月19日号より抜粋