以前、すごく博識で仕事もできる上司が、ありえないほど汚いデスクで仕事していて、しかも来客から丸見えでした。
「◯◯さんはいつも仕事を完璧にこなして取引先からも信頼されているのに、このデスクを見られて『結構だらしない人なんだな』と思われたらすごくもったいないですよね。もう少し片づけたほうがいいと思いますよ」
こうやんわりと注意したら、「そうかな」とボソッとつぶやいて翌日からちょこちょこ片づけ始めたのです。これがもし、「◯◯さんのデスクは汚すぎるから片づけたほうがいいですよ」という言い方だったら、「うるさいな」と反感を買うことも。
「もったいない」には、あなたには素晴らしい魅力や能力があるという意味が込められているので、誰も言われて悪い気はしないのです。
「悪意ある攻撃」と「愛ある指摘」の見極め方
自分が注意もしくは叱責されたとき、それが悪意ある攻撃なのか、愛ある指摘なのか、見極めが必要な場合があります。
前者は、自己満足のために人を責めたりいじめたり、嫉妬や憂さ晴らしのために攻撃するケース。
後者は、その人のことを育てたい、より良くなってほしいという思いから、嫌われる覚悟であえて言うべきことを指摘するケース。
どちらなのか見極めるポイントは、言われたあとの自分の感情です。
悪意ある攻撃を受けたらドーンと落ち込んで後ろ向きになりますが、愛ある指摘は「言われたことを守って次はがんばろう」と前向きになれるはずです。
最初はすぐにわからなくても、相手と話したあとに悪い気分が続いてモヤモヤしたら、そこには悪意が隠れていると思って、距離をとったほうが身のためです。
逆に叱られてもなぜか元気になれたら、愛がある証拠。私はそういう人にお世話になりながら育ててもらいました。
(編集協力/樺山美夏)