山田千穂さん(写真:渡辺利博)

「新しい名刺をお渡ししていなかったかもしれないので」と自分の名刺を差し出し、 再度、名刺交換する機会を設けるのです。実際は新しい名刺でなくても、「もうお渡ししていましたか、失礼しました」のひと言ですみますよね。

 もし名刺を持ち合わせていなかったら、

「確か◯◯でお会いしましたよね......えっと......」

「佐藤です!」

「そう、佐藤さん! 雰囲気が変わられて、一瞬どなたか分からなくてすみません」

といったやりとりでも問題ありません。

 他にも、

「お名前を教えていただけますか?」

「佐藤です」

「あっ、苗字は存じ上げていて。下の名前(ファーストネーム)をお尋ねしたかったんです」

と言い、あたかも「苗字は忘れていません」と装う方法もあります。

 下の名前を聞いた理由を尋ねられたら「友人と似たお名前だったと記憶しており」「素敵な響きのお名前だったような覚えがあったので気になって」「確か、苗字とのバランスが美しいお名前だったなあ、と」などと答えましょう。

 逆に、相手が自分の名前を忘れているようであれば、

「佐藤さん、お久しぶりですね、◯◯の山田です!」

「ああ、山田さん! お久しぶりです」

と自然と挨拶できるように、こちらから名乗る気遣いも忘れずに。

「もし自分だったらどうしてほしいかな?」と相手の視点に立てば良いのです。

(編集協力/樺山美夏)

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山田千穂

山田千穂

記者。埼玉県川口市出身。1988年生まれ。『週刊ポスト』『女性セブン』で記者を約10年経験。芸能、事件、健康等の記事を担当。取材で、聞く力、洞察力、コミュ力を磨く。3000人以上に取材。直撃取材、潜入取材を得意とする。 大学在学中は渋谷109で販売員としてアルバイトをし、お正月セール時には1日最高500万円を売り上げる。

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