早いもので、2024年も折り返しです。1月~6月にAERA dot.に掲載され、特に多く読まれた記事をジャンル別に、ランキング形式で紹介します。スポーツ関係の記事の8位は「筒香争奪戦にソフトバンクが好条件で参戦か あの投手と『ダブル獲り』の可能性も」でした(この記事は4月4日に掲載したものの再配信です。年齢や肩書などは当時のもの)。
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ジャイアンツを退団してフリーエージェントとなり、去就が注目されている筒香嘉智。日本球界復帰の可能性が取り沙汰されているが、その実現度はどうなのだろうか。
筒香に近い関係者はこう語る。
「本人はできる限り、米国で長くプレーしたいという思いを持っています。今までも日本の複数球団から獲得のオファーが来たが、首を縦に振らなかった。メジャーの舞台にもう一度立ちたいという思いが大きなモチベーションになっている。その可能性が年々、厳しくなっている現実とどう折り合いをつけるか。相当悩んでいると思います」
米国に渡ったのが20年。21年のシーズン途中に移籍したパイレーツで活躍した期間があったが、苦しんだ時期の方がはるかに長い。昨年はレンジャーズ傘下3Aでプレーしたがメジャー昇格は叶わず、その後は米国の独立リーグに所属した。今年は招待選手としてジャイアンツのメジャーキャンプに参加していたが、腰痛が影響してオープン戦6試合出場で打率.100、0本塁打、2打点。マイナーに降格となり、退団を決断した。
古巣DeNAでもレギュラーは厳しい?
日本球界復帰の道を選ぶなら、古巣のDeNAが本命視される。在籍時に背負っていた背番号「25」は退団した20年以降空き番号となっており、筒香が復帰するまで他の選手にはつけさせないという球団の敬意が込められている。ただ、中心選手として所属していた5年前と置かれた立場が変わることは間違いない。左翼、一塁、三塁と複数のポジションを守れるが、左翼は佐野恵太、三塁は宮崎敏郎、一塁はタイラー・オースティンと強打者で埋まっている。筒香が復帰した場合はバックアップ要員からスタートすることが考えられる。
ただ、レギュラーの座を確約されていないのはDeNAに限った話ではない。獲得に興味を示していると昨年から報じられてきた巨人も一塁・岡本和真、三塁・坂本勇人と不動のレギュラーがいる。外野も左翼は丸佳浩のほか、ファームに若手成長株の秋広優人が控えている。巨人を取材するスポーツ紙記者は、「阿部慎之助監督が現役時代から筒香の実力を高く評価していたことは間違いないが、現在のチーム編成を考えた時に必要な選手かと言われると疑問が残る。若手を育てながら勝つ方針にシフトしている中で、獲得してもプラスになるとは限らない」と疑問を投げかける。
その中で、意外な球団が獲得レースに参戦するという情報が飛び込んできた。米国に駐在する通信員が語る。