コンセプト自体がもう厳しい

 結局、3人の司会者の奮闘もむなしく、視聴率は歴代ワーストという結果となった。この要因について、石川氏は“ジャニーズ問題”を指摘する。

「旧ジャニーズのタレントが出ないことがわかった段階で、ジャニーズファンの間では『今年は紅白を見ないように』という“通達”のようなものが出まわっていたようです。それが数字に出てしまったのでしょう」

 一方、城下氏はこう話した。

「旧ジャニーズ勢がいようがいまいが、紅白に関しては、もう視聴率が下がっていくのは必然なんです。『紅白歌合戦』というコンセプト自体がもう厳しい。地方ではまだ家族が大みそかにそろっているので、何となく『紅白』をつけっぱなしにしているだけ。それも含めてあの数字なんです」

 過去には、視聴率81.4%をたたき出したこともある「紅白歌合戦」。再び“国民的行事”として復活する未来はあるのか。

(AERA dot.編集部・上田耕司)

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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