「ボーダレス」とは真逆の演出
昨年末の紅白のテーマは「ボーダレス」。公式HPには「国や、言葉や、世代を超えて“ボーダレス”に人と人とをつなげ感情を共有していく。そんな力が、音楽にはあります」とある。
だが、番組の進行では、49歳の有吉が「おじさん」を連発し、23歳の浜辺が「若い歌手を教えてあげる」という性別、世代間格差を強調するような演出も目についた。
たとえば、LE SSERAFIM(ル・セラフィム)を紹介するとき、浜辺が「今若者に大人気のル・セラフィムのみなさん。私が代表してその魅力をプレゼンさせていただいてもよろしいでしょうか」と聞くと、有吉は「おじさんにもわかるようにゆっくり教えてください」。
韓国グループ・SEVENTEEN(セブンティーン)の登場の時にも、浜辺が「私たちの世代にも大人気のセブンティーンのみなさんですが、ここは私がその魅力をプレゼンさせていただきたいんですけど、有吉さんいいですか」と聞くと、有吉は「おじさんにわかるように、ゆっくり教えてください」。浜辺は笑いながら「かしこまりました」と返した。
「有吉さんが“おじさん役”を務めることで、番組を見ている高齢者にも、若い歌手の魅力を伝えるという意図なのでしょう。しかし、やっていることはジェンダーバイアスがかかった旧態依然の演出で、『ボーダレス』というコンセプトとは真逆のように感じました」(前出・ディレクター)