オープニングから“巻き”が入る
有吉といえば、ひょうひょうとした毒舌キャラで数々のバラエティー番組でもMCをこなしてきた百戦錬磨だが、紅白は少し勝手が違ったようだ。番組が進行しても「緊張しています」と繰り返し、実際に肩がこわばっているように見えるシーンもあった。
その理由を民放ワイドショーのディレクターはこう話す。
「有吉さんは地上波で約10本のレギュラー番組を持つほどの超人気芸人ですし、場を回すMC力は安定感抜群です。NHKもそれを買って抜擢したのでしょう。しかし、意外と地上波テレビの生放送でのMC経験は少ない。レギュラー番組も収録が基本で、だからこそ、有吉さんの毒舌が生きてきた部分もある。生放送への対応力はそんなに高くないのではないかと思います」
芸能リポーターの城下尊之氏はこうみる。
「収録中心でやっていると、つい余計なことをしゃべってしまうものなんです。収録だと危ない発言はカットできるけど、生放送だとそうはいかない。有吉さんは生放送で発言に細心の注意を払いながら、かつ番組全体をまわさなきゃいけないので、焦りもあったと思います」
前出のディレクターによると、紅白は「秒単位で進行が決まっており、司会へのプレッシャーはすごい」という。そのうえで、城下氏はこう続ける。
「紅白の司会者は、極度の緊張感を強いられると聞きます。なぜなら、番組が始まるとすぐに“巻き”が入るから。過去には『オープニングから巻きってどういうこと』と、後で怒った女性司会者がいたというほど。少しでも時間が押してはダメという雰囲気のなかで、秒単位での進行を求められるので、司会者や出演歌手を含めて、慌てたりするハプニングが多いんです」