国立大学の入試といえば、共通テストなどに臨む一般選抜のイメージが強いが、推薦を活用することで、合格のチャンスが広がっている。AERA 2024年7月1日号より。
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筆記試験だけで合否が決まらない入試は「総合型選抜」と「学校推薦型選抜」に大きく分けることができる。
「総合型選抜」は旧AO入試のことだ。書類や小論文、面接などで学力や意欲、大学が求める人物像と合っているかを測る試験方法だが、旧AO入試は一部の大学で学力の評価が不十分だとし、文部科学省が2021年度から学力評価を必須とし、名称も変更した。
「学校推薦型選抜」には「公募制」と「指定校制」の2タイプがある。「公募制」は大学の出願条件(評定4.0以上など)をクリアし、出身高校の校長の推薦があれば受験できる。「指定校制」は大学が指定した高校の生徒を対象とする選抜で、私立大学を中心に行われている。
東大の推薦入試は学校推薦型選抜(公募制)だが、京都大学の「特色入試」は学部によって学校長の推薦不要の総合型選抜の枠もある。総合型選抜の場合、東北大のように浪人生にも門戸を開いているケースは多い。
国立大では、共通テストの結果も含めて合否が判定されることがほとんど。一般選抜を見据えて共通テスト対策をしてきた人は、併願で合格のチャンスを増やすことができる。また、北海道大では共通テストを利用せず、12月に合格発表をする試験も実施している。出願要件をチェックしてみる価値は大いにある。(教育ライター・柿崎明子)
※AERA 2024年7月1日号