自ら蚊に刺される実験をする白井さん(写真・本人提供)
自ら蚊に刺される実験をする白井さん(写真・本人提供)

▽黒っぽい服を着ていると刺されやすい

 蚊は体温や二酸化炭素などのほかに、視覚も使って「ターゲット」を認識しており、黒や紺色の服を着ている人、肌の色が黒い人のほうが刺されやすいという研究結果がある。

「対策としては、白や黄色の明るい服、なおかつ、生地と肌に隙間があるゆったりとした服を着るのが好ましいでしょう」
 

▽刺されやすい血液型がある

「これについては研究結果がありますが、必ずそうなるとは言えません」と白井さんは言う。

 白井さんは、2004年に64人のボランティアを対象に、ヒトスジシマカがどの血液型の人を多く刺すか実験をした。その結果、刺されたのはO型の人が最も多く、B型、AB型、A型という順番だった。海外の研究でも同じ結果が出ているという。

 しかし、血液型の違いよりも「体温」「二酸化炭素」「水分」の影響のほうがより大きいと考えられ、白井さんは「刺されやすいかどうか、血液型だけでは決まらないと考えています」。

 そのほか、白井さんの実験では、男性と女性では男性のほうが刺されやすく、若者よりも年配の人のほうが刺されやすい傾向が見られたが、断定できるほどの明確な差ではなかったという。

 蚊の好みは、なかなかに複雑のようだ。

自宅での対処法は

 小さな黒い影や羽音とともに、室内で発見した蚊。なんとしても駆逐して、安眠を確保したいところだ。なんとか逃さず、たたきつぶすことはできないものか。
 

▽蚊を捕らえるために、わざとたっぷり血を吸わせる

 血を吸って体重が倍になった蚊は、飛び方が直線的になり、下のほうに向かう傾向があるので、捕らえやすくなるとは言えるそう。「ただ、その蚊を逃すと意味がないので、吸血しているのを見たらすぐにたたくことをおすすめします」と白井さん。

 たたくときは、両手で左右から挟むようにたたくのではなく、上下から縦方向にはさむほうが良いという情報がネット上にあり、白井さんも試してみたが、「結果としては、たたく向きは関係ありませんでした。蚊をよく見て、素早くたたくことが重要です」。

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かゆさだけではない、蚊のリスク