ロボットが必要不可欠なインフラになる未来

 ロボットと言っても用途により、さまざまなタイプのものがある。その中で、人型ロボットには以下のような利点がある。

 第1に、その構造が人体に類似していることにより、人が行うことを真似できれば、人と同じことができるようになる。

 第2に、人が作業する空間は、人間の体が動きやすいように設計整備されているので、人型ロボットであれば、周囲の環境を大きく変えることなく導入できる。

 第3に、第1と第2の特性を維持しつつも、例えば、関節の可動域を人間以上に広げたり、作動させる力を人間より強くしたりすることで、人間の能力を超える機能を持たせることが比較的容易である。

 そして今、生成AIの技術が新たな段階、すなわち、文字数字情報ではない動画情報あるいは生の人間の動きそのものを使って学習できる段階に入ったことにより、人型ロボットが飛躍的な進化を始めている。

 従来は、人型ロボットにソフトウェアで事前にプログラミングしたり、さらには、人の動きの情報をそのまま一つずつロボットに伝えたりすることで人間と同じ動作をさせることが行われてきたのだが、今日では、生成AIを使うことにより、例えば、ロボットがYouTubeの動画や実際に動いている生身の人間の動きを見て、自ら学び、それと同じ動きをするような学習をする時代になったのだ。さらに、失敗しても、自らその原因を発見し、完璧な動きに近づけるということもできる。

 人型ロボットの進化は、驚異的なもので、近い将来、社会維持に不可欠なインフラとなっていくことが確実になってきた。今後人手不足が続く日本や中国などでは、とりわけロボットへの需要が高まるだろう。

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各地で大量生産されるロボット