AERAの連載「午後3時のしいたけ.相談室」では、話題の占い師であり作家のしいたけ.さんが読者からの相談に回答。しいたけ.さんの独特な語り口でアドバイスをお届けします。
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Q:母親の在宅介護をしています。デイサービスとショートステイを併用しながら在宅勤務をしていますが、会社の方針で、できなくなりそうです。ワンオペ介護にも限界があり、施設への入所も考えなければと思っていますが、母にとってそれがいいことなのか、自分の都合だけで介護を他人に委ねていいのか、答えが出ません。自分も体調が良くなく、考え過ぎてストレスも増していくばかりです。(女性/会社員/53歳/みずがめ座)
A:人生でいろいろある問題の中でも、「家族」に関することというのは特別につらい問題が多いなと感じます。
例えば会社や仕事のことももちろん大事な問題だけど、環境を変えてしまえばいいみたいな部分もあります。でも家族の問題ってそうはいかないし、他人からアドバイスをもらったとしても、それをいざ実行するには崖から飛び降りるような覚悟が必要だったりしますよね。
親の介護についてもそうだし、子どもの不登校などもそうかもしれません。先に進むために、もう元に戻らない覚悟を家族みんなで決めて、ダメージをくらいながらも進んでいく。今回お便りをくださったのも、そういうタイミングにあるからなのかもしれません。
僕もだんだん親が高齢になってきて、数年後には介護の問題が出てくるかもしれない、という年代です。幸い親子関係は良好で、なんとかしてあげたいという気持ちも強くあるんです。でもある時、親と同年代の知り合いにそういう話をした時、「別にお母さんは息子さんに全部面倒みてもらおうとは思っていないんじゃないか」と言われたことがあります。そして自分でも不思議なほど、その一言に救われました。親の介護の話になると、「育ててもらった恩返しをしなければ」という決めつけが根底にあって、その前提のもとで話を進めてしまう人が多いかもしれません。