本格的な一騎打ちの期待が高まる東京都知事選(6月20日告示)。唐突な立候補表明で世間をあっと言わせた立憲民主党の蓮舫参院議員だが、再選を目指す現職小池百合子知事の人気も底堅い。接戦が予想されるだけに、一定の票が計算できる支持組織の獲得が大きな鍵を握りそうだ。日本最大の労組「連合」、前回都知事選で善戦した維新など野党各党がどう出るのか。その思惑がにわかに注目を集める。
いち早く共産党
蓮舫氏が4月27日、都知事選の立候補を表明すると、共産党の小池晃書記長は「最強最良の候補者を決めることができた」と早々に支援を表明した。「蓮舫さんを都政へ押しあげ、暮らしと地球に優しい東京に」。同党が配布し始めたビラにはそう記載されている。
表立っての支援としては、今のところ、この共産党だけが目立った存在になっている。立憲の元都議は「応援団が見えないのは不安なものですよ。立憲に追い風といっても浮動票頼みでは厳しい。応援してくれている人達の見える化を進めるのが重要だ」と不安を口にする。
蓮舫サイドがもっとも期待する組織とは。本来、立憲の支持母体である連合は極めて大きな存在だ。連合東京で125万人の組合員がいる。すべてが東京の有権者ではないものの、前回選挙で圧勝した小池氏の得票の1/3にあたる規模だ。
その連合の芳野友子会長。先月31日、報道陣の取材に「連合東京の考え方を尊重したい」としつつ、蓮舫氏の支持については消極的な発言に終始し、「知事とは関係がいい」と小池都政を評価した。
連合にとってのネックは共産党。発足時から敵対関係にあり、連合関係者は「和解するには歴史の総括からやらないといけない」。その共産党との選挙協力はないというわけだ。
前回の都知事選(2020年7月)で、連合東京は小池氏の「支持」を表明している。連合東京の中枢幹部は、「(今回は)まだ、小池氏が出馬を表明していないので、要請が来てからの判断になる」と慎重だ。