しかし、水面下では早くも動きが出ているようだ。連合関係者が明かす。

都政について語る小池百合子知事

「小池さん、さすがだな」

「都庁関係者から『前回並みで』という言葉が連合東京にあったそうだ。最終的には執行委員会で決めるという形になる」 

 前回並みなら「支持」を依頼してきたことになる。

 一方、蓮舫陣営から連合東京への働きかけはどうなのか。

「現段階では蓮舫サイドからは立憲を通しても依頼はな ようだ」 

 連合内には小池氏を評価する声がある。

「小池さん、さすがだなと思うのは、組織、団体をとても大事にするところ。連合東京のイベントにもわざわざ時間を作って挨拶する。常日頃からそういう気配りが憎らしいくらいしっかりできている」 (連合傘下の産別幹部)

連合の芳野友子会長(中央)

 連合票はすべて小池知事に流れるのか、というとそう単純ではない。

 仮に連合東京が小池知事の「支持」を表明しても、連合東京には48の産業別構成組織がある。産別ごとに考えは異なるというのだ。

「連合は、右向け右で、動くような組織ではないんです。連合東京が小池さんか蓮舫さんに『支持』を表明しても、それぞれの産別組合は独自の考えをもっている」(産別組合関係者)

 連合東京関係者によると、連合東京の機関会議は告示日の前日(6月19日)にある。この場に各産別の代表者が集う。48の産別のうち30組織くらいが出席すると予想される。

「小池さんか蓮舫さんか。どちらを支持するかはこの場ではっきりします」

「出席者が自由に意見を交わし、一つにまとまらなければ、自主投票ですね」

 産別の中には、公言はしていないものの、強く蓮舫氏を支持しているところもあるという。

 前回、小池知事は366万票を得票、2位宇都宮健児氏84万票、3位山本太郎氏65万票を大きく引き離した。しかし前回の都知事選とは構図が違うという指摘がある。宇都宮氏は共産中心の候補だったが、蓮舫氏はあくまで立憲中心であり、連合組合員の受け止めはおのずと異なるという。

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