また、文中でもっともよく使う単語は、「ありがとう」です。どんなやり取りでも極力、感謝の言葉を添えるようにしています。「期限より2時間早く提出してくれてありがとう」「完璧なプレゼン資料をありがとう」と、できる限り具体的に感謝を伝えるほうが、相手の心に響きます。
「他者から認められたい、自分を価値ある存在と感じたい」という承認欲求は、誰しもにあるものです。そしてそれを満たしてくれる相手を嫌がる人などまずいません。また自分としても、感謝の気持ちを忘れず、謙虚でいられます。「ありがとう」はまさにコミュニケーションの潤滑油なのです。
同じ感謝という文脈でいうと、「今日のお礼」のメッセージについてはできる限り早く送るようにしています。仕事での顔合わせや打ち合わせ、商談の後などは、帰路についてすぐ、参加者全員にお礼のメッセージを送信します。このスピード感が、実は1つのポイントといえます。
お礼というのは、送るのが遅くなるほどに内容を吟味しなければならないものです。時間がたって記憶が薄くなった相手には、いつどこでどのような形でお世話になったかなど、改めて説明する必要が生じます。文章量が多くなりがちですし、構成も考えねばなりません。その点、会った直後であれば、「本日はありがとうございました」の一言で十分、感謝の意を示すことができ、文章を考える時間と手間が省けます。
叱る際は、グループ全員に向けたメッセージに
仕事においては、時に他者のミスを指摘したり、改善を求めたりすることもあるでしょう。そうした際にもメッセージの送り方一つで、相手のモチベーションは大きく変わります。
私はいくつかの事業を運営していますが、スタッフを叱る際には、個人に対してよりそのグループ全員に向けたメッセージとして発信するようにしています。仮に遅刻が多いスタッフがいたら、グループLINEに「今日、26分遅れで出社した人がいましたが、管理体制はどうなっていますか」などと送ります。当の本人はそれで十分、わかるはずですし、そうしてグループ全体で課題を共有するほうが組織的な再発防止につながりやすいからです。