社長は金融庁の公表資料まで示した。「日本の個人の金融資産は現預金比率が欧米に比べて多く、資産形成が課題」「長期・積立・ 分散投資の推進」などと書かれており、社長は「金融庁の方針にもまさに沿っている」とまで言った。
金融庁の意向もあり、業界団体である生命保険協会では、22年度から代理店の業務品質を評価して公表する制度を始めた。ただ、手を上げた代理店のみが対象で、代理店が30万円を協会に支払うという仕組みで、評価の中立性にも疑問符がつく。
品質検討のWGメンバーに代理店の名
皮肉なのは、この制度で使用する評価基準や方法の調査・研究を担う「代理店業務品質検討ワーキング・グループ」のメンバーに先ほどの女性を「カモ」にした代理店が入っていたこと。
社長は筆者に対し、自身がメンバーであることも勧誘が適切だった根拠に挙げていた。さらに驚くのは、この会社を推薦したのは関東財務局だったことだった。
(文中敬称略。肩書は当時のもの)
※この問題の全容については『損保の闇 生保の裏』に記載しています。顛末については同書をご参照ください。記事は一部抜粋です。