紙幣をリサイクルして作った現金袋(撮影/池田正史)

 現在は競争入札を経て、日銀の静岡支店と年50トンの紙幣くずを回収する契約を結んでいる。入札は大体3年に一度のペースで、今の契約は来春までまだ1年近く残る。回収量は年によって変わることがあるという。

 現金袋の生産量は現在年2千万~3千万枚で、銀行や信用金庫などに納めている。コンビニ大手、ファミリーマートに設置されたイーネットATM(現金自動預払機)脇にも置かれている。

 インクを抜かずに再生するためメガバンクなどで目にする一般的な現金袋に比べて少し黒みがあり、手ざわりもちょっとザラザラする。だが紙幣から作られたと聞いたためか、やはり丈夫な気がする。袋の裏面の下の方には「この封筒は紙幣をリサイクルしてつくったものです」と控えめに書いてある。

住宅用建材や固形燃料としても

 日銀のホームページによれば、お札の平均的な寿命は1万円札が4~5年程度、5千円札と千円札が1~2年程度。5千円札と千円札の寿命が短いのは「つり銭などでやり取りされることが多く、傷みやすい」ことが理由という。

 世の中で使われたお札は民間の金融機関を通じて日銀に戻ってくる。まだ使えるものは再び世に戻されるが、使えないと判断されたお札は日銀の「本店または支店」で細かく裁断される。

 裁断くずはトイレットペーパーなどにリサイクルされたり、一般廃棄物として本店や支店のある自治体の焼却施設で燃やされたりしてしまうそうだ。リサイクルされるものの中には住宅用の建材や固形燃料として使われるものもあると言われる。

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4枚に1枚が裁断されリサイクルや焼却に