マネックス証券は米国株・米国ETF、中国株・中国ETFだが、新NISAで中国株・中国ETFも無料になるのがうれしい。

為替手数料タダの注意点

 外国株や海外ETFを取引するときには為替手数料というコストもかかる。米ドルなど現地の通貨を日本円に両替して買い付け、売却時も再び日本円に戻すための両替をすることになる。

 両替時にかかるのが為替手数料だ。米ドルの場合、1ドル当たり片道0.25円、買い・売りの往復で0.5円かかるのが通常。現在も円建てで外国株式などを買う際はNISAでも為替手数料がかかる。

 だが、2023年秋からSBI証券楽天証券、松井証券では「リアルタイム為替取引」の利用で為替手数料が無料に(SBI証券はキャッシュバックによる実質無料だが、近日完全無料の予定)。

 これはリアルタイムの為替レートで円を外貨に両替できるサービスだ。両替により仕入れた米ドルを使い、「ドル建て」で注文を出せば為替手数料がかからなくなる。

 リアルタイム為替取引ではなく通常の円建てで注文を出すと、自動的に前述の為替手数料が引かれて「タダにならない」ことには注意したい。

 なお、SBI証券と楽天証券がリアルタイム為替取引の際に提示するレートは外国為替市場における業者間レートで、買いレートと売りレートに差(スプレッド)がある。

 この差は、為替手数料とは別にかかるコストの一種だ。変動する場合もあり、両社ともスプレッドの数値は公表していない。

 本誌が直近3カ月間の動向をチェックすると、SBI証券は実質的なスプレッドが往復0.04円で変動しなかった。

 楽天証券は安いときで往復0.01円台、高いときで同0.08円台。松井証券はスプレッドも完全無料だった。あっぱれ!

取材・文/大西洋平、中島晶子(AERA編集部)

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編集/綾小路麗香、伊藤忍

※『AERA Money 2024春夏号』から抜粋

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中島晶子

中島晶子

ニュース週刊誌「AERA」編集者。「AERA」とアエラ増刊「AERA Money」の編集担当。投資信託、株、外貨、住宅ローン、保険、税金などの経済関連記事を20年以上編集。NISA、iDeCoは制度開始当初から取材。月刊マネー誌編集部を経て現職

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大西洋平

大西洋平

出版社勤務などを経て1995年に独立し、フリーのジャーナリストとして「AERA」「週刊ダイヤモンド」、「プレジデント」、などの一般雑誌で執筆中。識者・著名人や上場企業トップのインタビューも多数手掛け、金融・経済からエレクトロニクス、メカトロニクス、IT、エンタメ、再生可能エネルギー、さらには介護まで、幅広い領域で取材活動を行っている。

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