「どうも思いませんけど。事件と直接関係ないことを書いている人も多かったですよね。『ダウンタウンの初期はおもしろかったけどダメになったよね』とか。
ちなみに僕はダウンタウンのお笑いを最初から好きになれなかった。そう感じる人も世の中にいることをわかってほしいと思います」
「空気読みすぎが嫌」
茂木さんは吉本興業の芸人が「得意ではない」。
「テレビの現場で吉本の芸人さんたちとご一緒するとモヤモヤする。なぜだろうと考えてみたら、特にひな壇芸人さんがどのタイミングで何を言うかと空気を読む雰囲気がすごく苦手なんだと気づきました」
芸人そのものが嫌いなわけではなく、空気読みすぎの感じが嫌、と。
茂木さんの著書が海外でも売れている。英国をはじめ『IKIGAI』が世界的ベストセラーになった。現在、31カ国で出版されており、日本でも逆輸入版で読める(『IKIGAI 日本人だけの長く幸せな人生を送る秘訣』新潮社)。世界一の長寿国である日本の「生きがい」という独特な考え方を、事例を交えて説明する2018年初版発行の本だ。
2022年には海外向け第2弾として、和の考え方と日本人の生き方を論じた『NAGOMI』を出版し、こちらも好調な売れ行きが続いている。
本の執筆が「投資」
「僕、お金は全部、普通預金なんだけど。本を書くのが投資かな。売れたときの印税が株でいうところの配当ってことで(笑)」
なぜ普通預金に入れっぱなしなのか尋ねると、「オタクなんで、投資に手をつけたらガチで調べはじめてキリがなくなりそうなので。所属するソニーグループ株(茂木さんはソニーコンピュータサイエンス研究所のシニア・リサーチャー)が値上がりすると利益が出るストックオプションを報酬として受け取りましたが、今も手をつけていません」。
茂木さんによると、お金は脳内で「報酬系」に分類されるという。
「愛情とか承認欲求と同じです。お金はその人が社会的にどれくらい評価されたかの指標になっていますよね。でも、僕のおすすめは自己評価の指標をお金以外にも広げることです」
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