越智さんは銀行を辞めた。まず大学院に行き、政治家として必要な政治史と外交を学んだ。驚くことに、父の後継指名を断り、公募を経て初の国政選挙に臨んでいる。
「かっこよく言えば、自由にやりたかった。政治家の家系に生まれましたが、マインドは金融の世界で鍛えてもらった、市場や世論に敏感な民間人です」
越智さんの趣味は「アイロンがけと日曜大工」。
「アイロンがけは忙しくても必ずやる日課です。気持ちが整うんですよね。日曜大工では壁と冷蔵庫の間に小さな棚を作ったり、娘の漫画本に合ったサイズの書棚を作ったり」
越智さんの話に、何度も「作る」という単語が出てきた。どんなものを作るかイメージし、手を動かして形にするプロセスが好きなのだろう。新NISAに続く「傑作」が今から待ち遠しい。
取材・文/大場宏明、中島晶子(AERA編集部)
編集/綾小路麗香、伊藤忍
※『AERA Money 2024春夏号』から抜粋