怒った分、愛をしっかり
授賞式でのスピーチで言った「賞をいただいて、完璧な毎日じゃなくてもいいなと思わせていただいたように、一生懸命我が子と向き合っているママは、全員がベストマザーだなと心から思います」というのは、本当に普通に思ったこと。
それに対して有難いことに、「ママの本音を代弁してくれてあありがとう」というようなコメントをたくさんいただきました。Instagramの中には、キラキラしたママはたくさんいるし、「この人の怒っている姿なんて想像できない」というママばかり(笑)。
私、可愛らしいママと出会ったら必ず聞くんですよ、「子どものこと、怒ります!?」って(笑)。そこで、「私だって怒りますよ~」って言ってもらえるとすごく安心する。「よかった~こんな可愛くて、キラキラしていて、高い声の人でも怒るんだ!」って思う。
InstagramなどのSNSには子育ての情報があふれていて、こういうことを子どもにしてはならない、こういう言葉がけをしてはならない、みたいな情報がものすごい入ってくるんですよね。
子どもに「早くして」って言ってはいけないという子育ての情報もあるけど、私なんて「早く」って、1日の中で一番言っている言葉かもしれない。言い換えとかしてるけど、でも言っちゃうし。いいママになるための情報がありすぎて、逆にそれができていない自分はダメだなと思ってしまうと思うんですよ。
でも、本当に毎日心穏やかな可愛いママもいるかもしれないけど、そんなの一握りどころか、世界に1人いるかいないかの話だと思う。別に、「早く」と言ってしまったり、怒ってしまったりしても、ちゃんとその分、子どもと向き合い、愛をしっかり伝えていれば大丈夫だよね、っていう気持ちです。受賞によって改めて思いました。ママにしてくれた息子とryuchellに感謝します。
(構成/AERA dot.編集部・太田裕子)